芙音②

 

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フーちゃんは性格いたって温厚。何時も「どこにおるん?どこにおるん?」と主人を目で追い求めて安心するタイプ。仕事で長期の留守の時も窓辺でずっと待ち続ける悲しくなる程の忠義者。さかりのときだけは性格が一変し主人などなんのそのになりましたが、それ以外は主人しか見えない一途な犬でした。少し大きくなってからは一か月に一度、ひきつけを起こすてんかん持ちとわかりました。獣医さんからは短命と言われましたが、山の中でストレスが少なくてすんだのか、てんかん症状も思ったよりひどくならずにすみました。仕事の粘土に始まり家中に犬毛をまき散らし、唯一のクーラーを独占しながら愛されました。それでも窯元の犬らしく器物のあるところでは大きな体を縮めるようにそっと足を踏み出すような子だったので陶器が壊れるようなことはありませんでした。

 

 

 

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芙音①

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山内達雄は大の動物好きで芸大時代、隣の上野動物園に通いつめて単位をなくす位は平気な人でした。作家Bは「獣医さんになったらよかったんじゃない。」と言いたくなるほどの世話好き。作家Aはこの二人に比べるとどこにでもいる普通の人。

 

 

 

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この家へ生後三か月の秋田犬(雌)がきました。1995年、大島へ窯を移して直ぐの頃です。名前は通称フーちゃん。フーテンの寅さんからではありません。船で来たのにかけて、初秋の芙蓉(ハスの花)の芙と音の調べと云うかぐわしいれっきとした漢字名をつけました。

フーちゃんは13年間の生涯で30kgは優に超えるでっかさになっても作家Aのベッドで共に寝ていました。しつけは夫と作家Bがしていたので、フーちゃんにとって作家Aは怒らない気楽な人だったのかもしれません。

 

 

 

 

 

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女子部

s-DSCN3722いちこ(右)と乙女(左)、我が家の女子です。

いちこは警戒心の強いサバイバル猫、乙女は天真爛漫なチャレンジャー、実に猫らしいこの二匹。女子に比べると男子の玉はおっとりしてみえます。

ごはんが物足りないと玉は「フンガッ」と不満気に皿を回し始めますが、女子は「了解。」とばかりに外に出かけ自活します。山の中の環境のせいなのか、二匹が名ハンターなのかわかりませんが、よくネズミや小鳥を仕留めてきます。翼のある鳥をどう捕まえるのか、未だに不思議です。先代猫のアーニーがいた時はヤモリ一族が家の中で我が世の春を謳歌していましたが、今の子達になってからはあっという間に引っ越ししました。ヤモリの頭を咥えて走ってきたり、消化不良で吐いた中にホラーな物体が見えたり、こちらが「ヒエーッ!」となることもしばしばです。

可愛い顔してワイルド、我が家の女子です。

 

Happy Birthday 

 

2010年3月24日、我が家の物置部屋でいちこが嬉々として出産しました。

ドタバタ喜劇のようでした。あれから5年。昨日はいちこの子供達の誕生日でした。

生まれた日時がはっきりしている猫を飼うのは初めてです。一時10匹の大所帯になったうちの猫達は里子や失踪を経て、現在3匹になりました。

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(右 いちこ、左上 乙女、左下 玉三郎)

 

 

 

 

子猫が可愛くて持ったばかりの携帯のカメラで写真を撮りまくっていました。

玉にもこんな時期がありました。

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(左から 玉三郎、横浜に里子にいったちゅらちゃんとにっきちゃん、乙女)

玉の声

s-DSCN3606「玉のような声」と言えばきれいな声の例えですが、玉三郎こと「玉」の声は美声とはいえません。或る日訪れた人に「変わった声の猫がいますね。」と言われました。確かに玉の声を聞くと、魚河岸や演歌歌手のこぶしを連想してしまいます。

しかも玉はよくしゃべる男なのです。ご飯がほしい時はベッドの下から「ハンガー、ンーガー、アガ、アガ、ガ」とボリュームも調節しながら実に辛抱強く鳴き続けます。他の猫が外から帰って来た時は「フンガーッ!ハガッ!ハガー!!」と叫びながら出迎えまとわりつきます。玉の声は猫からみてもうるさそうです。

 

 

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よくしゃべります。

 

 

 

 

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この口が。

 

 

 

 

 

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(全開)

 

 

 

 

 

 

玉三郎

訳あって外に出してもらえなくなった猫、玉三郎、五才、♂ 。(病ではありません。)

 

 

 

玉が室内猫にデビューしてからもうそろそろで一年が経ちます。

我が家の二階で生まれ、外でも遊び放題、自由な猫生活を満喫していた玉。そんな彼を家に閉じ込めるのは本人はじめ人間や同居猫を巻き込んで奮闘のしばらくでした。相談した人も数多く、その中の一人、私の友人、Oさん。Oさんは生粋のノラ猫君をマンション猫にした人です。Oさんによると「最初の三か月は大変だったが、今は他の猫の影を見ただけで震える。」ということでした。そんなに変貌するのかと驚きましたが、お陰様で玉もずいぶん家猫らしくなってきました。ある時など他の猫を外に出そうとすると、玉自ら座を外すという、気配りなんだか、諦念なんだか。飼い主としては、ほっとしながらちょっと切なくなる瞬間です。

 

 

 

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そんな玉の事情など露知らず、この季節、

かつてのライバル達がやってきます。

今日も庭の隅から茶虎の子が。

 

 

 

 

 

 

 

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早速玉、窓に張り付いて

「オウオウオウーッ!!」とドスの効いた

声で茶虎君を威嚇します。

さすが玉、室内猫になってもやる気満々。

玉の隣で野次馬となる私。

それにしては茶虎君、落ち着いている。

と、「オッ!オッ!オウーッ!」と喚く

玉の背中が小刻みに震えているのを発見

……がんばれ、玉!