蒸気機関車

機関車は私にとって身近なものです。幼い頃から家中油彩油の臭いがただよっているのが当たり前の環境で育ちながら(亡父は新制作協会会員で画家でした。)一方で国鉄時代の機関士と云う珍しい仕事をしていました。蒸気機関車を「海風」シリーズとして始めたのは、私にとって以前から創りたいと思っていた当然のテーマのような気がします。

画 太田忠

「海風」シリーズの始まり

長年続けている「響」シリーズは対象が白い象ですが、「海風」シリーズは蒸気機関車です。島のFさんから東京の三人目のお孫さんの誕生祝い(のぼり祝い)を依頼していただき思い付きました。ちなみにご長男誕生時は「かぶと」、ご次男誕生時は「舟」を創らせていただきました。舟はお祖母様在住の瀬戸内海を想い浮かべてほしく。

ちびっ仔達

世の中には猫好きと犬好きの二派があると思います。我窯の二人は両方好きな方です。それでも作家Bはより猫好きで、作家Aは犬好きです。最近パソコンを開くと仔犬達の画像がランダムに見られる様、作家Bがセットしてくれました。これ程くつろげる愛らしさに勝るものはなくすべてを忘れてにやけています。(「笑点」の比ではありません。)

 

「wallpaper better」より

亀の行方

今冬、島では降水量が少なく、ダムの水量を心配する話題がのぼります。我窯の池も、当地開窯以来さだかな記憶に残っていないほどの浅さになりました。出逢っていた池の子亀達が見当たりません。

 

「亀の箱」

心に刻む

1983年「銀花コーナー新宿」で初個展を催してから2014年の「銀座ギャラリーハウス中澤」で終えるまで、作家Aは東京での個展を毎年一、二回続けました。特に2002年山内達雄が死去後は生活の為必要な個展でした。来訪者に進歩を観ていただきたく、新作を展示することが自分に課する義務と信じて対応してきました。その頃、私のような未熟者ではなく、精神のバランスのとれた暖かい印象のМさんにお会い出来ました。此度「現在どんな状態であっても自分自身と向き合った時、私の人生はこれでよかったと納得して終わらせることが、とても大事なことではないかと此の頃思うようになりました。」と九十三才のお便りが届きました。生きる勇気をいただいたようで励まされています。

化粧の生掛け

島も寒気到来、冬の厳しさを感じる日々です。マグカップなどのろくろ引きをして久しぶりに化粧釉の生掛けを試みています。弱還元炎の窯を詰め切るまでには次々とつくる準備が控えていますが、しばらくぶりの技法が新鮮な気持ちにさせてくれます。