お酒の呑めない、美食家でもない、平凡な作家Aですが、驚いたことにファイン・ルビーという贅沢な最高のポルトを知っています。
このワインは香りと甘味で行ったこともない外国の食卓に想いを馳せさせ、クラッシックな音楽のように沈む気持ちをほぐしてくれます。
毎年贈られてくるこのポルトの励ましは勇気を与えてくれて、もしかしたら私は美食家だったカナと云うところまで展げてくれます。
練り込み独酌杯
夕暮れの丸の内、
三菱1号館館美術館エリアの中庭
先日の東京でのこと、10代の頃からの親友と夕暮れの丸の内を歩いていたら、通りに大きな虎の彫刻が出現。もしやと近づいたら、「ANIMALS」シリーズの人気作家、三沢厚彦氏の作品でした。しばらく進むと今度は見上げるような彫像が。この顔は!とプレートを確認すると、イタリアの作家、ジュリアーニ・ヴァンジの作品です。いつかは見たいと思っていた作品と突如出会う事ができました。後日、調べたら「丸の内 ストリートギャラリー」の一群だそうです。
薄暮の中でヴァンジの作品と出会った帰り道、思い出していたのは隣の隣の島、大三島のところミュージアムです。初めて訪れた時、私の大好きなマリソールの、しかも「ピカソ」の作品に出会えたのは感動でした。ところミュージアム自体も農道にポツンと佇んだ作品のようです。今頃、マンズーの「枢機卿像」と共に見る海も秋の気配がしているだろうか、と想いを馳せるようなチャーミングな美術館です。
130号F
第5回 露木恵子個展 シリーズー雲に乗ってー
院展に出品されていた日本画家露木恵子さんは、「作家の社会性」を行動で実体験され続けています。文化と福祉の結びつきを深く考えておられ、病院や福祉施設へ自作の絵画を寄贈されてきました。その寄贈先は70近くになるそうです。作品は(雲とか朝焼けとか)優しい自然が中心です。お人柄も作品に通じるものが漂ってくるのですが、時折、職人的粋さと云うものがちらつくときがあり、親しみを増します。それは、私の恩師である名著「工芸概論」などの著者、前田泰次先生が父上であること、お祖父様が横山大観時代の金工科鋳物教官、田中清次先生であったと云う環境が個性となっているように思います。
私の個展には「登り窯の子供達」の人形創りの時代から訪ねて下さっていて、干支の丑年(前田先生の干支)あたりから作品の香合に「ウチにくるかね。」と声をかけながら毎年求めていただいています。