お抹茶茶碗

山内達雄は印花文を中心とした、いわゆる三島手風器物を多くつくりました。又、とりわけお茶碗つくりには熱意がありました。残念なことは印花文を使ったお茶碗をほとんど残さなかったことです。

作家Aはコロナ禍が始まる前の昨年11月、「茶の湯道具」のIさんから小ぶりの印花文茶碗、30個のご依頼を受け、今年7月、登り窯で焚き上げました。お茶会は一年先に延期された由ですが、先頃お茶碗の方は手渡しを終えました。私としては長年続けてきた仕事の中で初めて手掛けた珍しいものになりました。印花文の細やかな表現は見る人の納得をいただきやすいことなど学ぶことがありました。

改めて山内達雄の印花文茶碗に出逢えない現状が悔やまれます。

登り窯ー2020

梅雨明けが待ち遠しい此の頃です。過日雨の中、登り窯を焼成しました。例年より1ヶ月以上遅れての窯焚きで、暑さが心配されましたが、無事焚き終えることができました。コロナ禍の中、ままならないことばかりですが、今年も登り窯の窯焚きができほっとしています。

2020年 泰山木の花

登り窯の窯詰めを終えて外に出ると梅雨空のなか、泰山木の大輪の花が咲いているのが目に入りました。何時もの年ならエビネ蘭の花が咲いているのに気付きほっと気のゆるむ時期です。今年はコロナ禍であれもこれも延引し今日、やっと窯詰の終盤を感じ取れるところまでたどり着きました。

 

 

この頃

先日、松山の店を休業したこともあって日々、コロナの情報に一憂しています。

そんな折、昨年依頼された印花文の数茶碗を轆轤引きすることで気を紛らわせていました。自分の発想で続けてきた練り込み手の手法を新鮮な目で見直す機会が出来たのが救いです。

今年の思い出

2019年も少なくなって参りました。あっという間すぎて実感がわかない今日この頃です。今年の思い出は?と振り返ると、作家Bにとっては記念品の招き猫の仕事でしょうか。「君、かわいいね。」とか「君はこうしたほうが」と話しかけながら猫にまみれていた夏を思い出します。(※「酔芙蓉ー2019」)

連作

作家Bが依頼されている「招き猫」に熱中する折、作家Aは以前から続けている「花」のテーマを試みています。登り窯に入れるのを目標にしてきたので「花」のテーマは表現の変化を続けています。