令和七年十月十六日

作家Bの個展が終わりました。お出かけ下さいました皆々様に心からお礼申し上げます。作家Aの芸大同期生、美術史家、新関公子さんは学部二人だけの女子学生だったこともあり、私共の仕事に関心があります。「まどかさん、成長していらっしゃいますね。絵は空間の把握が知的で魅力的。」と、ご一報がありました。作家Aもこれからの発展を楽しみに出来る展示と感じています。

梅雨があけました。

今年は早くも梅雨があけました。その報前日、義母山内和代の33回忌法要を医王院で営みました。朝倉窯築窯の地を捜していただいた方です。闊達で明るい人柄で、長く共に暮らした作家Aは生き方を学ぶことが出来ました。梅雨の雨の中で咲いた泰山木の花写真をお供えしました。

つる姫ー2025

作家Aは、気遣い続く還元炎の窯詰めを終えたせいか早春の庭の雑草取りが新鮮です。その折、ふと振り返るとほのかな薄いピンクの花が一輪、目に映りました。島のAさんにいただいた「つる姫」の名を持つ椿の花。癒される一刻です。

 

 

「つる姫ー2020」

「清楚な可憐さ」

「鶴姫」

「シンギング スネーク」

 

作家Aは島の山暮らしでヘビに出会うことが多くあります。ヘビは草や花の間にもぐり、陽を浴びて昼寝したり、海風を気分よく感じることもありそうです。口笛をふくか歌う気分になる時もあるカナと思い「singing snake」を創りました。

 

三匹並んで口笛を吹いている様子

 

※「満月蝋梅と招き蛇(仮名)」

 

続「干支展・巳」ーもみじの日々

朝倉窯から大島窯に移窯した当時、山内達雄ともみじ林を作ろう、ともみじの木々を移動しました。此度、巳の干支展を催すにあたり、温暖化の季節の変化でもみじ林は十二月に色付きました。会場でもみじが短かった秋のことを話しかけています。

 

「大島窯干支展・巳」

~12月20日(金)

am10:00~pm4:00

十月の酔芙蓉

酷暑の日々が過ぎかけています。酔芙蓉は八月、九月に咲く花ですが、今年は十月になっても咲いています。驚きました。温暖化による季節の変化が自然の営みを変えています。こんな日々ですが、健康第一でがんばりましょう。

 

薪の炎⑥

新しく築窯した大島窯の登り窯では、薪を投入し始める一の間を陶彫の場にしました。窯詰めの場としては棚組みが固定されていないので自由な空間があり、炎のまわり具合を工夫できました。

 

「風の譜の谷Ⅱ」 39cm×34㎝×高さ47㎝

 

薪の炎⑤

大島に窯を新たにしてから、窯の仕上がりを把握するまで一苦労しました。大きな原因は、朝倉窯の登り窯が粘土でできたとんばりで作られたものに対して、大島での新たな登り窯は耐火レンガが使われたことです。炎の雰囲気が硬質になったように感じています。

 

 

s-DSCN2003
古き都の媛皇子 38㎝×34㎝×高さ約70㎝

薪の炎④

陶器は総合的に炎が創出したものです。作者は窯の炎を想定しながら作品の置き場所を決め、セッティングするところで直接の作業は終わります。最終的な仕上がりは窯の炎の作業次第です。

 

 

「蕗の子」(部分)

 

 

薪窯の炎③

朝倉窯の「3の間」の炎から「いぶいぶしい上品なやさしさ」が生まれました。父・故太田忠が属した初期の新制作協会絵画部の猪熊弦一郎先生や小磯良平先生時代に感じた美意識、芸大同期生の故伊藤廣利さん、夫・故山内達雄などにも感じる美意識です。

 

 

「月館」