山内達雄は印花文を中心とした、いわゆる三島手風器物を多くつくりました。又、とりわけお茶碗つくりには熱意がありました。残念なことは印花文を使ったお茶碗をほとんど残さなかったことです。
作家Aはコロナ禍が始まる前の昨年11月、「茶の湯道具」のIさんから小ぶりの印花文茶碗、30個のご依頼を受け、今年7月、登り窯で焚き上げました。お茶会は一年先に延期された由ですが、先頃お茶碗の方は手渡しを終えました。私としては長年続けてきた仕事の中で初めて手掛けた珍しいものになりました。印花文の細やかな表現は見る人の納得をいただきやすいことなど学ぶことがありました。
改めて山内達雄の印花文茶碗に出逢えない現状が悔やまれます。