私が東京芸大に入学したこともあり当時芸大教授だった小磯先生にはいろいろな思い出があります。
古い記憶では我が家に滞在中の先生から「肖像画を描いてあげよう。」と言われ小学生だった私は恥ずかしくて逃げだしたのでした。結局、水彩の母の肖像画だけが残ることになりました。
このことを話すと作家Bは「もったいないことをして。。。」と言います。
リトグラフ・小磯良平
訳あって外に出してもらえなくなった猫、玉三郎、五才、♂ 。(病ではありません。)
玉が室内猫にデビューしてからもうそろそろで一年が経ちます。
我が家の二階で生まれ、外でも遊び放題、自由な猫生活を満喫していた玉。そんな彼を家に閉じ込めるのは本人はじめ人間や同居猫を巻き込んで奮闘のしばらくでした。相談した人も数多く、その中の一人、私の友人、Oさん。Oさんは生粋のノラ猫君をマンション猫にした人です。Oさんによると「最初の三か月は大変だったが、今は他の猫の影を見ただけで震える。」ということでした。そんなに変貌するのかと驚きましたが、お陰様で玉もずいぶん家猫らしくなってきました。ある時など他の猫を外に出そうとすると、玉自ら座を外すという、気配りなんだか、諦念なんだか。飼い主としては、ほっとしながらちょっと切なくなる瞬間です。
そんな玉の事情など露知らず、この季節、
かつてのライバル達がやってきます。
今日も庭の隅から茶虎の子が。
早速玉、窓に張り付いて
「オウオウオウーッ!!」とドスの効いた
声で茶虎君を威嚇します。
さすが玉、室内猫になってもやる気満々。
玉の隣で野次馬となる私。
それにしては茶虎君、落ち着いている。
と、「オッ!オッ!オウーッ!」と喚く
玉の背中が小刻みに震えているのを発見
……がんばれ、玉!
「智恵子抄」ではないですが、島も空がきれいです。
木立の上に浮かぶ月の美しさにしばし足を止めていると、どこからか飛行機の音がします。
空路になっているのかここでは夜、飛行機をよく見かけます。赤い光を点滅させながら飛行機は、その身は暗闇に沈ませるように星々の合間をゆっくりと進んでいきます。私は親譲りの飛行機嫌い。乗ったことも乗る予定もないのですが、静かな山中で夜空と飛行機(その中にいるであろう人々と)を想う時、日常の慌ただしさを忘れます。
激しい春の風が吹きました。肌寒い日です。
風にも負けず花々が咲きました。白梅がりんと咲き、紅梅が八重の深い紅色をつけてぽつぽつと色を そえています。黄色の山茱萸、 万作も咲いています。この時期、我 窯は忙しい土仕事に追われ、花をめでることも忘れています。でも今年は幸運にもあんずが咲いているのに気付きました。あんずは短命であっという間に視野からはずれてしまうのです。
肌寒さの中にも春の気配を感じるようになりました。
「斑雪香合」は雪から覗く春の形を表しています。
蓋を開けると、ほたるぶくろの花が化粧土の上に刻み込まれています。
春といえば花見酒も。陽気に誘われる日が待ち遠しいものです。
ショーウィンドウから、
「化粧金彩珍味皿」と鳥や龍の「金彩ぐい呑み」でデミタスカップ仕様に。
後ろの「金彩カップ」と合わせてコーヒー碗にもできます。
スタッフの轟さんによると、ゴールデンウイーク の頃には店の前の通りの「なんじゃもんじゃ」の花が満開になるそうです。私は仕事が多忙な頃と重なり、まだ一度も見たことがありません。なので不思議な名前の白い花が陽光を浴びながら揺れている光景を、遠い所のお話のように思い浮かべてしまいます。
[広辞林を紐解くと、「なんじゃもんじゃ」は常人の口にすべきでない尊い木を意味するそうです。増々異国めいてきました]