ネットの毎日新聞で新美南吉の詩が紹介されていました。フリーアナウンサーの水野晶子さんという方が「明日」の詩の朗読をYouTubeで無料配信されているそうです。去年この詩を読んだら、ただ愛らしいとしか感じなかったかもしれません。1932年、五・一五事件があった年に発表されました。前年の1931年には満州事変が起きています。新美南吉が詠んだ「明日」をコロナの今、思いを馳せます。
「明日」
新美南吉
花園みたいにまつてゐる。
祭みたいにまつてゐる。
明日がみんなをまつてゐる。
草の芽
あめ牛、てんと虫。
明日はみんなをまつてゐる。
明日はさなぎが蝶(ちょう)になる。
明日はつぼみが花になる。
明日は卵がひなになる。
明日はみんなをまつてゐる。
泉のやうにわいてゐる。
らんぷのやうに点(とも)ってる。