うぐいすの声が聞こえ始めると我窯の入り口看板周辺に菜の花が咲きます。
看板はご自身多忙な書道家の池田幸子さんの自筆のものです。
朽ちると又書き添えて下さるボランティアの心遣いはありがたいものです。
司馬遼太郎の菜の花忌にあやかるわけではありませんが、
咲き続ける菜の花を一膳如何でしょう。
「菜の花和え蛸飯」など
激しい春の風が吹きました。肌寒い日です。
風にも負けず花々が咲きました。白梅がりんと咲き、紅梅が八重の深い紅色をつけてぽつぽつと色を そえています。黄色の山茱萸、 万作も咲いています。この時期、我 窯は忙しい土仕事に追われ、花をめでることも忘れています。でも今年は幸運にもあんずが咲いているのに気付きました。あんずは短命であっという間に視野からはずれてしまうのです。
島も今年の冬の寒さは長く、春を告げる
様に一斉に咲く黄色の花々は見当たりま
せん。今治の展示会から帰宅した私たち、
作家A,Bを出迎えてくれた花木は椿で
した。
亡くなって13年になる山内達雄は花木
の好きな人でした。川辺に沿ってウナギ
の寝床のように細長い土地に朝倉窯を
築窯した時、二人で競って苗木を買い求
めたものです。
海が大好きな夫が、大島に第二の築窯を
決めた時は、朝倉で成長した花木たちが
大島山中の木々と仲良く馴染ん
でくれるかと案じたことを思い出します。