「てくてく展」②

今年はコロナ禍の不安定な時期に展示を催すことになりました。秋晴れの澄んださわやかな日々に恵まれ、我が窯へ足を運んで下さる方々と、お会い出来るのが嬉しくありがたい想いがしみじみ湧いております。会も半ばになりました。後半期も作品をご覧いただけるようお待ちしています。

「てくてく展」

「てくてく展」が始まりました。

マスク姿での再会となりましたが、皆様のお顔を拝見でき嬉しさを実感する初日となりました。今回の展示では、干支を中心に今年の登り窯から出た花入れや小さなお雛様、等々を並べています。どうぞ山中の秋を楽しみながらお出かけ下さいませ。

お抹茶茶碗

山内達雄は印花文を中心とした、いわゆる三島手風器物を多くつくりました。又、とりわけお茶碗つくりには熱意がありました。残念なことは印花文を使ったお茶碗をほとんど残さなかったことです。

作家Aはコロナ禍が始まる前の昨年11月、「茶の湯道具」のIさんから小ぶりの印花文茶碗、30個のご依頼を受け、今年7月、登り窯で焚き上げました。お茶会は一年先に延期された由ですが、先頃お茶碗の方は手渡しを終えました。私としては長年続けてきた仕事の中で初めて手掛けた珍しいものになりました。印花文の細やかな表現は見る人の納得をいただきやすいことなど学ぶことがありました。

改めて山内達雄の印花文茶碗に出逢えない現状が悔やまれます。

oさんからの贈り物

oさんご夫妻は、山内達雄が生前当時、二人で出向いていた島の陶芸教室で出会った方です。今も一年に何度も段ボール一杯の品々を送って下さいます。oさんの身近にある諸々詰まった届き物。ありったけの慈愛を感じる品々、それらを開けると気持ちが伝わって涙ぐみそうになります。きっと島だからこそ出会ったoさん達です。

山道

島の山中にある窯元へ向かう道はややもすると草生い茂る道中になりかねません。従って展示を催す際は、来訪の方々のご不便を案ずることから始まります。草木の伐採が気がかりなところです。嬉しいことに此度の「てくてく」展では既に部落の方々の手で伐採が終了していました。今日は看板の点検かたがた山道をてくてく歩いてみました。落ちたいが栗や横断中の子亀に出逢いながら、むかごの若い実が風に揺れているのに気付きました。コロナ禍中ではありますが、暑い日々を乗り越えた爽やかな秋を見つけました。

 

てくてく展

6月開催を断念した「窯出し展」と師走の「干支展」も兼ねてということで、この10月25日(日)~11月5日(木)に「大島窯 てくてく展」という展示を催します。今年はコロナの影響で特別な1年になっています。大変なことが多いですが、焦らず、あきらめず、という想いをこめて「てくてく」の展示会です。