金彩菊文皿

作家Bの最近作、経29.5㎝、金彩菊文平皿5枚です。日本古来の菊文様ですが、イギリスの画家スタンリー・スペンサーの作品を尊敬している作家Bの、日本画家としては個性的な方向性が金花に暖かさを感じさせる仕上がりになったと思います。

又、ご依頼下さったHさんが、飾り皿としてでなく、テーブル上の食器として料理好きな娘さんへ送られるお気持ちが、しみじみとした深い愛情を感じさせる平皿に見えると思うのは身近な者の思いこみでしょうか。

道具土

山桜が真っ盛り。雨で花びらが散るのが惜しまれます。毎日の窯詰めの方、道具土が足りなくなりましたので、業者に注文しています。届くのが遅くなっています。登り窯が数少なくなっているせいでしょうか。我窯では40kg以上使いますから必需品です。窯を修繕する木節、モルタルで代用と云うわけにもいかず、届くのを待っています。

 

東京展での同窓の人達⑧

平成29年2月の東京での展示には、山内達雄の友人、新居田郁夫さんご紹介の方々が訪ねて下さいました。大島窯作陶展は個展と異なり作家A、B二人の展示なので、作家Bの成長を喜んでいただいています。

漆芸科の新居田さんは画家になられ、舞踊家塩穴迪子さんと朝倉窯を訪ねていただいたこともあり、田辺恒弥のマリンバ曲にカバー絵を描かれたものを送って下さったことなど思い出されます。

山内達雄の死の翌年、同じ病気で舞踊家の伴侶を亡くされました。その終焉までを記録した「紫青の舞踊」を歌集にされています。一方私は、作家Bの助力を得て山内達雄の、のこした登り窯を維持することでこれまで懸命でした。凡庸な表現の能力しかありませんが、新居田さんのまぶしい感性の歌集の中に亡くした人への同じ想いを拝読しています。

画 新居田郁夫

 

山茱萸ー2017

年ごとの東京展の折、新幹線に乗って訪ねてくれる中学時代からの友人、Hさんは「今年は腰痛でのぞけない。」と、会場に電話を入れてくれました。年齢を経て再会後、我々は球技でいえば直球型、と改めて気付いた大切な友です。展示から1か月経ったこの3月、腰痛回復の報を伝え聞き、ほっと安心した目に映る満開の山茱萸の黄色が、幸福のハンカチに見えました。

みかん

今年の東京展の最終時間間近、会場入り口にAさんが佇んでおられました。「山内さんは愛媛に住んでいるから和歌山産のみかんを。」とおみやげをたずさえて。Aさんの父上は東京で個展を始めた頃から作品をお買い上げいただき、励まされ創る気力が湧いたものでした。それはご子息のAさんに引き継がれ、お会いする度深い感謝の気持ちと共にがんばる気持ちがひろがってきます。

 

亀の万年君

寒風吹き荒れる日、焼成中の電気炉のコイルが切れました。修理するのに鳥取経由でコイルを取り寄せることになりました。鳥取は大雪で一日交通が動きません。展示直前で気が揉めましたが、今日は爽やかに空も晴れわたり気持ちの良い日です。コイルも無事に到着しました。我窯の動物達の守り神、亀の万年君が光を浴びています。

香炉のふた

昨年一月、窯元を訪ねて下さった日展七宝作家の松本由紀子さんからふたが送られてきました。こちらも香炉にどうかと合わせて作ってみました。松本由紀子さんの作品はイギリスの雑誌に載ったそうです。

 全国センター試験のシーズンは毎年、雪の降る激しい冬の季節です。

それでも若い人達の熱気が寒気を吹き飛ばす時期でもあります。

我窯にも珍しく風花がちらほら舞い、庭の壺に氷を見つけました。